子どもWEEKEND ~ 今、日本の子ども福祉を見つめなおす(オンライン参加)

日本財団主催の子どもWEEKENDが開催され、ウェビナー配信されるということで、3時間ほどの長丁場でしたがオンライン参加しました。

6つの分科会があり、前半・後半で2つの分科会を選択できます。
「難病の子どもと家族が輝ける社会へ」「ふるさと納税によるNPO支援の可能性」を選択。
どちらも充実したゲストとお話の内容で、贅沢な3時間でした。

難病の子どもと家族が輝ける社会へ

難病の子どもを支援する団体を中心にゲストにお呼びしたトークセッション。
支援活動をする気持ちの源泉や、どう仲間を集めるのか? 資金集めで工夫していることは? など、支援団体の運営に関してかなり踏み込んで意見が飛び交ったトークとなりました。

NPO法人NEXTEP 島津理事長はじめ、共通して、初めから大きく何かを考えたのではなく、身近なところから放っておけない「おせっかい」から始めたのだという話が印象的でした。

ご自分が劇団四季にほれ込んで仕事を辞めてしまった経験から、劇団四季での舞台経験を経て、現在は子どもたちへ演劇パフォーマンスを教える心魂プロジェクトの寺田真実さんの話も、すごく心に残りました。
「自分もやってみたい」と思う情熱が、子どもたちの心を動かし、行動に繋がっていく。「好きなこと」を見つけることが、子どもたちの情熱に繋がり、生きる力に繋がっていくのだなと思いました。
演劇を観たいのに観れない、演じたいのに演じられない子どもたちがいるのに「劇場で待っている場合じゃないよね」と、現在の事業を立ち上げたものの3年ほどは、電気が止まって飼ってる犬と寄り添って寝るような暮らしだったとか。
そんな寺田さんですが、仲間集めは当人が手を挙げるのを待つのだそうです。
そういう中でも、試行錯誤して「やりたい」と意思表示をしてくる子どもたちがいるのだという話でした。

その他、記憶に残ったトーク内容をメモしておきます。
発言者は少し曖昧なところもあり、割愛します💦

◇ あなたにとって地域とは?

  • 目の前のケースにおせっかいするところから始まる
  • 向かうところに敵ではなく、味方を作っていく
  • 熱い人どうし繋ぐ > 地域の反応はさまざまでも熱い祈りは変わらない、でも繋がっていない人はいる

◇仲間はどうやって集める?

  • 直接現場に行って人に出会う、一緒にやりたいときに思い出せる人ができる
  • 見極めることも大事、自分がメッセージを届けたい、という思いがある人を大事にする

◇資金はどう集める?

  • 継続して実績がないと支援できない > 本気を見せる
  • クラファンよりウェブで呼びかける方が良い / 建物は桁が違うので財団や、最終的には自分が背負う覚悟
  • 5か年計画を立てる(初年度資金が難しい) / 実現したい思いを発信する

◇まとめ

  • 直接現場に行って体験することが、活動の源泉になるし、人とも繋がっていく
  • 届けることに困難さがある子どもたちの声、感度が高い人に繋ぐためにはどうすればいいかを考えてやっている

ふるさと納税によるNPO支援の可能性

ふるさと納税の仕組みで寄付を募る「ガバメント・クラウドファンディング」を利用し、地域のNPO法人活動につなげる仕組みを作っている各自治体の事例を紹介。

通常は返礼品でコースを選ぶふるさと納税ですが、「ガバメント・クラウドファンディング」は、どの活動や事業に寄付するか?を選ぶものです。

例えばスポーツイベントへの寄付や、首里城再建(9億円)、能登半島地震災害支援(17億円)などの緊急寄付などがあり、行政がかかわることで信頼して寄付ができることなどが特徴です。

なんと佐賀県ではNPO支援をできるよう条例化しているそうです。
その佐賀県での取り組みを紹介くださいました。

インスリン補充が欠かせない糖尿病患者・家族を支援する日本IDDM ネットワークは、佐賀県に拠点を置いていたことで、ガバメント・クラウドファンディングの仕組みを活用して、予防・治療・根治の活動資金としているそうで、とくに根治をめざす研究資金として、大きな支えになっているようでした。

佐賀県 県民環境部の課長さんも、日本IDDM ネットワークさんも、共通して、住民が自発的に取り組むことを支援する県の考えが大きいと話されていました。

じつは昨年、別件で佐賀県へ視察へ行ったのですが、確かに地域の皆さんが自発的に「佐賀の自然環境を守りたい」「世界に発信できる貴重なものである」と活発に活動して支えている印象を受けました。

山口県知事の「世界へ通用する価値を、トライ&エラーしながらやっていきましょう」という言葉が紹介されていましたが、「前例がない」「失敗しないように」といった考え方から発想を転換していく必要もあるかもしれません。

◇権限範囲

  • 自らで呼びかけること、お礼状と返礼品は団体でおこなうこと
  • ふるさと納税は県から団体へ寄付として交付

 > 公益的な活動につかうこと
 > 対象経費は指定しない(柔軟に)

◇要件

  • 県内事務所があり、県内1年以上活動
  • 県内在住で活動する人がいる など

◇仕組み

  • 85%を団体に
  • 15% 人件費、クレジット決済、サイト手数料

* 寄付をどういう風に活用したか広く周知していただくことをお願い

CSONPO法人やボランティア団体、PTA、地域団体など)との連携

  • 地域の課題解決をしたいSCOの思いを大切に、対話ができる関係づくり
  • 寄付者への報告など // IDDMさんなど必ずしも佐賀県のみに利益が限定するわけではない活動もあることを知ってもらう

◇質疑応答
返礼品はどうしているんですか?
「返礼品の事業所をまわると100%協力してくれた。一緒に広報動画にのったりした」