宮古島市議会 自治体DX研修会

行政DX、自治体DXと盛んに言われるようになって、宮古島市自治体DXを推進していますが、実際何をやっているの?という質問が議会でもあり、このたび市議会議員向けに研修会が行われました。

宮古島市ではCIO(Chief Information Officer:最高情報責任者)が副市長となっていますが、補佐官として有識者に就いてもらっています。
今回はCIO補佐官の方に来ていただいての研修となりました。

DXとは「デジタル・トランスフォーメーション(デジタル変革)」の略で、デジタルで社会のあり方を良い方へ変えていくこととらえれば分かりやすいでしょうか。

私が20代の頃は近所のレンタルショップに行って音楽CDを一週間借りたりしていました。
借りたCDは、一週間のうちに再度店舗に返却しに行きます。

ところが今は「サブスクリプション・サービス」として、月額980円など支払って、アプリを通して音楽が聴き放題になるサービスが一般的になりました。

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デジタルのサービスでは、プレイリストをいくつも作れたり(CDをMDに録音していた時代は、いくつもの再生リストを作りたい場合は、作りたい数だけMDを準備しないといけませんでした)、作ったプレイリストを他の人と共有したり、誰かの作ったおすすめの曲のリストを聴いたりすることができます。また、アプリが「あなたの良く聞く音楽からは、おすすめのアーティストはこの人」と推薦してくれたりします。

デジタル化でサービス品質が向上し、拡張性を持つことなどが一般的にDXと呼ばれます。

自治体DXでは、例えば申請書類をデジタルで入力してもらうことで職員の方が一枚一枚入力する手間が省かれ、他の業務に時間を注ぐことができるようになります。

今、宮古島市が進めているのは、業務や業務量を見える化して、その過程でフロー整理・マニュアル化と業務の標準化を進め、より効率的な体制に変えていく試みです。

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質疑応答の時間から課題として挙がったのは、職員や市民、双方に人材育成が必要ではないかということでした。
デジタルに苦手意識を持つ高齢者にも、デジタル入力をお願いするのか?などです。

市民については、私は「高齢者でも使える環境づくり」が必要だと思っています。
例えば各出張所にオンライン端末を置くなら、高齢者に使ってもらえるように補助員を一人置くなどすべきです。
また、キーボード入力ではなくタッチペンや文字認識ボードの利用、大きなディスプレイ、聞き取りが十分に可能な音声システムなども、少なくともそこを目指す努力は、当たり前のこととしてやっていただきたいです。

かつでオンラインアプリを入れた端末を出張所に置いたことがありましたが、一度も使われなかったのは、そういった配慮がなかったことに加え、システムを使うための運用体制(人の配置環境)ができていなかったためでしょう。

DXを合理化やコストカットの手段と考えていると、逆の発想をしてしまいます。
すべての人により便利になるためにデジタル化があると考えるべきなのです。

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台湾のデジタル大臣のオードリー・タンさんも、「人々にデジタル化への適応を迫るのではなく、技術の方を人々の生活を便利にするよう合わせる」と話しています。

変えるのは人ではなく、システムの方です。
ユーザーに努力をさせるシステムは、点数をつけるなら落第点です。
大切なのは、「使いにくい」と感じている人の声を聞き、立場になって考え、その人が使いやすいように環境とシステムを変えていくことです。

システム化が人を疎遠にすることがあってはいけません。
いつでも社会の真ん中には人がいます。
人を大切にする社会であることを起点にすることが、デジタル化のかなめであると考えます。

そういうところでは、シビックテック(市民によるテクノロジー)という市民が主体となってテクノロジーで社会の課題に解決していく動きも、とても大事だと思いました。

そうした動きが加わって、庁内に向けたDXから、市民に向けたDXまで、幅を広げていけるのではないかと思います。

人々が有機的に繋がるような仕組みに、デジタル・テクノロジーがその手段になるような変革がしていけるといいですね。

◇予算
・国補助、デジタル田園都市構想 3分の2

◇現在やっていること
・標準化、統一化 > 同じ仕組みにしましょう
 > 窓口業務
 > 他市の状況と比較しながらDXを進める

・chatGPT
 > 試験運用:議事録の整理、アイデアだし
 > セキュリティ面:サーバーが自前のものであれば別だが、入力したものは学習に使われると考えたほうが良い
 > 使い方やルールを知る

・ワンストップサービス(人がいますよ)
 > 目的は何?:窓口ばらばらいかなくていいですよ
 > 裏のところは共通化する
 > 市民の連携

◇市議からの意見
自治体DX、現在は何をしているの?
 → 業務洗い出しの過程でフロー&マニュアル可のものを見つけていく作業
 → 庁内業務共通化
・国と共通化したほうがいいのでは
 → 実際そういう話にもなっている

・人材育成が大事ではないか
 → スマホ教室のような市民向けの勉強会をやっているケース

・担当されている宜野湾市との違いはあるか
 → 以前、デジタルファースト宣言をしていて、そのため素地はあると思う

宜野湾市ではシビックテックの活動があるが、行政との連携は
 → 関係者が協議会(有識者会議)の中にはいっている。
 → シビックテックが直接かかわっている形ではないが、情報の行き来はあり、連携はとれる状況にはいる

・協議会の名前は?
 → 宜野湾市スマートシティ推進協議会