宮古島:島内で処理できない廃棄物についてのメモ

2023年7月28日に、宮古八重山5市町村の首長でつくる「美ぎ島美しゃ市町村会」は、離島振興にかかる29項目を沖縄県と県議会に提出しました。

他の地域より輸送費が負担となる離島の不利性の解消をはじめ、共通の課題・自治体ごとの課題が提出されましたが、この中で廃棄物処理にかかる項目もありましたので、現状を環境保全課に聞き取りしました。

島外での廃棄、またはその支援が必要そうなものについてまとめています。

  • 自動車
    すでに海上輸送費に「公益財団法人 自動車リサイクル促進センター」より8割補助が出ています。

  • 廃タイヤ(美ぎ島美しゃ市町村会より支援要請)
    普通タイヤは島内の産業廃棄物処理業者で処理できますが、大型タイヤは島外で処理するしかありません。
    島内不法投棄の4割ほどが廃タイヤとも言われています。

  • 放置艇・廃船(美ぎ島美しゃ市町村会より支援要請)
    担当は水産課となります。港に放置されたままの放置船が漁港の利活用に支障を及ぼしているとして処分費用に係る財政支援制度を県に要望しています。
    そのほか可能な限り行政で除去ができるよう「宮古島市管理漁港放置艇等除去処理要綱」を定めています。

  • 海岸漂着物
    宮古島の北海岸には多くの漂流ごみが流れ着きます。ボランティアを中心に回収作業が行われていますが、処分は宮古島市となり、ペットボトル等は(リサイクルに適さないため)焼却処分、また浮きなど焼却できないものは産業廃棄物処理業者で処分となります。
    処分にかかる費用は県の海岸漂着物等地域対策推進事業補助金(9割補助)を活用しており、通年活用できる形ではないため、美ぎ島美しゃ市町村会では通年活用ができる形を要望しています。

死亡牛など家畜の処理についても、島内では限度があるとして、島外処理の仕組みと支援が市議会で要請されてきた経緯がありますが、離島で排出される廃棄物を島外処理する広域処理の仕組みが必要かどうかを確認したいと思っていました。

結論から言うと、宮古島のような中規模の離島では自分の島で処理するのが基本と言えそうです。
そのうえで、島外処理が必要なものに関して個別に仕組みや支援を要請していくということになります。

現在、陶磁器など再利用ができないゴミに関しては最終処分場に埋却しています。
現在の最終処分場(川満地区)は、あと7~8年は使用できるとのこと。
その後は川満地区の処分場は覆土され、新たな最終処分場(野田地区)を使用していくことになります。

現在のところ宮古島市としては広域処理を検討はされていないようでした。
いかにゴミの減量とリサイクル率を増やしていけるかが大事で、市民にリサイクルをうながすプラザ館(クリーンセンターに併設)も好評のようです。
とくに紙・布が焼却の6割というので、ペーパレス化や、再生紙として出すなど、身近なところから減量化に取り組んでいけるといいですね。

一般家庭から出る廃棄物を、観光需要等から事業系廃棄物が上回るのも近い将来に想定されることといいます。
ホテルや飲食店と協力したゴミの減量・リサイクルもできることのひとつですし、現在検討されている入域税の設置も早期取り組みが必要に思います。


参考

市管理漁港
狩俣漁港4隻
島尻漁港5隻
真謝漁港2隻
浦底14隻
保良12隻
棚根1隻
川満5隻
久松11隻
計54隻

県管理漁港
博愛5隻
荷川取48隻
良浜71隻
佐和田13隻
池間49隻
合計186隻