今年は長らく雨の降らない日が続いたためか、渇水を心配する声がぱらぱらと届いていました。
台風5号と6号の影響で、むしろ雨の多い夏になりそうですが、増える宿泊施設に水需要が心配という方も多いのではないでしょうか。
議会でも何度か取り上げられている宮古島の水供給量ですが、改めて状況をお聞きしてきましたので、まとめて共有したいと思います。
現在の平均水使用量は一日あたり24,400トン。
令和13年までは、一日あたり26,800トンを計画しており、その根拠となるのは、宮古島が目標とする入域観光客数200万人のうち、空路で訪れ宿泊をする観光客数(105万人)を想定してシミュレーションした数値です。
現在の取水可能量は一日あたり34,100トンですが、集中して水を使うことも予想すれば、余裕をもたせておきたいところ。
今後は、防災の観点から伊良部島に独自に取水できる施設をつくるのだそうで、令和8年度を供給開始予定にして、一日あたり2000トンの取水を見込んでいます。
個人的には最近建てられる宿泊施設はプール併設のものが多く、こうした施設が増えていくことで水の供給可能量をひっ迫させてしまうのではないかという心配もあります。
現在ホテルやマンションなどの事業者とは、水道の利用を受け付ける際に、協定書を交わして使用する水の量の上限を決めているということでした。
こうした管理のもとで宮古島市の水の需要と供給が保たれていますが、宮古島市の生活水が地下水を頼る以上、雨がまったく降らないような年があれば供給に影響がでないとも言えません。
また農薬等の問題も含めて、宮古島の低廉豊富な地下水を守る取り組みを続けていくことが必要です。
聞き取りメモ
10年間の平均年間降水量 2317 mm
10年間の7月の平均降水量 1219mm
2023年の7月の降水量 632 mm > 危険な兆候だったが台風6号で解消された
*1993年と比較して…
水源地が5つに増え、1万トンほどプラスになっている
[現在の水の状況]
・平均使用量(日/平均) 24,400トン
・将来計画量(日/R13) 26,800トン
・取水可能量(日/最大) 34,100トン
> 台風直後の水の使用等、集中して使用される日などあり、バッファは必要
*R13計画の根拠・・・
宮古島市の目標入域観光客数:200万人
うち、空路 105万院
⇒ 入域観光客数(目標)値で出したシミュレーションにより、R13年までの期間における供給可能量は 26,800トン
[今後の計画]
◆伊良部島
・これまで宮古本島から、伊良部大橋を経由してポンプで送っていた
⇒ 災害時や、パイプ破損などあれば水供給が困難になることから、伊良部島に水道水供給施設を設置する計画
H3 認可とり直し > 予算がついた
R4 計画
R5 実施
R7 供用開始(価格高騰の影響で一年後ろ倒し)
・取水量:2000トン/日
> 伊良部島の使用量は 2500~2600トン/日
>> 使える井戸の規模から 2000トンが限度
>> 不足分はこれまで同様、宮古本島から供給する
・水質管理
> 塩分濃度
> 硝酸性窒素
> 石灰成分
>> 膜処理で除去する
・予算:水道関連予算(2分の1)ほか
> 18億~20億
◆宮古島
・加治道水源の利用 > 今後の検討
・その他の事業 > 全部で35億ほど
・硬度低減化装置:更新
・野原タンク > 友利よなんだけにタンク設置
・友利の排水施設
>> 友利方面に観光客需要が増えているため
>> 野原からは友利、砂川は(標高位置関係のため)水圧が強くなるので、中間施設が必要になる
⇒ 観光客需要で市の負担が増えている一例
◆ホテルとの兼ね合い
・入域観光客(目標)値に合わせた供給計画
・ホテルによっては地下水を自己取水するケースもある
> 宮古島では2施設
> 専用水道として水道技術者が必要(保健所県が管理)
>> ある程度おおきなホテルでないと無理
> 水道水源流域は不可
> その他、地下水流域は協議のうえ(環境衛生局)
>> ポンプの近くはNG / 海岸近くはNG ⇒ 水に塩水化をおこす
>> 場所や取水量などにより
・プールの水など
> プールの水を入れない水量で許可
>> 事業者とは協定書を結んでいる
>> 定流量弁で上限を制限できる
⇒ホテルで再生水や循環型など工夫する必要性
・下地島空港残地利用は?
> 県は、事業者と市で話し合いをと
> 供給はかなり厳しい
◆淡水化の必要性があるのでは?
・淡水化施設は高額、市民負担が2倍になる
・市のやるべきことは安易な淡水化ではない
・低廉豊富な地下水を大事に使っていくこと
・県内の淡水化の施設
・沖縄企業局(北谷) > 浄水場の水とブレンド化して使用