映画「戦雲」~ポレポレ東中野 トークショー

那覇で共生社会条例10周年パレードに参加した翌日は、東京・ポレポレ東中野でのトークショーがあり、その日のうちに飛行機に乗りました。

宮古島ゆいいつの映画館、パニパニシネマで一度は鑑賞していましたが、地域で反応が違うのよと聞いていたこともあり、二度目となった東京では、劇場内の雰囲気を意識した鑑賞になりました。

関東の映画館は静かと聞いていましたが、私が観た回はところどころ笑いが起きて、くつろいだ雰囲気に少し安心しました。

上映後は三上智恵監督とステージにあがってのトークショーです。
いつもは報告会や講演、議場などで人前で話す経験はある方だと思っていたのですが、フリートークは別物ですね...

あまり上手く話せなかったと思うのですが、映画「戦雲」に対して感じている魅力について話すことができたのは良かったです。

映画は石垣の霞を抱く於茂登岳を背景に始まりますが、県内最高峰の存在がつねに厳かにそこある石垣の風景を、しかととらえたシーンです。
そうした風景に、古謡の形をとりながらプロテストソングを紡ぐ山里節子さんの姿が、心に残る映画でもあります。

また与那国にある人々の物語もとてもいいですよね。
ハーリー祭のシーンの細かな人間関係や、なんだか自由人な猟師の川田さんや、小さな島には悠然と自然の姿があるけれど、島に暮らす人は、受忍と抵抗の間で揺れ動き続けている。

宮古島は...ご覧になった皆さん、どんなふうに映ったでしょうか。

民俗学を専攻していた三上監督ならではの、島の暮らしを見る視点が潜んでいる作品です。
同じ問題を抱えながら一様ではない、宮古や石垣、与那国、うるまの人々の生きざまと揺らぎを見つつ、島の歴史や暮らし、人々の心に思いを向ける時間であってほしいなと思います。

関心を持ったら、それはまだまだ扉を開けたところです。
その先へ踏み出す人もいるだろうし、そうでない人ももちろんいると思いますが、多くの人に九州以南の小さな国境付近の島々について、知ろうと思ってもらえると嬉しいです。

東京の桜は二分咲きでした。