大型クルーズ船の入港受け入れの状況を見に来てほしいという声があって、池城市議に調整いただいて視察をしてきました。
2022年3月までに22万トン級のクルーズ船が接岸できる専用バースと臨港道路、税関・出入国審査・検疫を行う平良港旅客受け入れ施設(CIQ)が完成していましたが、コロナウイルスの影響で活用が進んでいない状況でした。
同年4月に入港が再開されましたが、コロナ以前と比べて規模・回数も大きなものではなく、まずは徐々にと始まったクルーズ船の受け入れ再開です。
いよいよ今年から本格稼働が見込まれる中、新たな受け入れには課題が多々ある状況です。
受け入れ施設には入国管理をおこなうスタッフ、観光案内をおこなうスタッフはいますが、施設の管理・交通整理等をおこなう人材の配置は現状なく、観光協会や担当課の職員が早朝出てきて対応されているとのことでした。
クルーズ船入港時の人員配置は、委託やら何らかの形で必要だと思われます。
クルーズ船からは複数のバスが往復してお客さんを入国管理施設まで届けます。施設内では不正入国を防ぐため、片側一通でしか進行ができないことになっているとのこと。
ところがトイレは進行の反対側に設置されているため、入国時に使用することができません。
そのため、入国手続きが済んだ後に観光案内所のトイレに並ぶことになるのですが、女性用で3室しかなく長い行列となってしまうのです。
仮設でも良いので新たに造設してほしいというのが、方々から聞こえてきた意見でした。
あわせて気になったのが、クルーズ船をおりた観光客を受け入れる交通機関の手薄さです。
早朝タクシーが並んでおり、入国管理を済ませたお客さんが次々乗っていったあとは、すぐにタクシー不足になります。
事前予約のバスやレンタカーが続々とはけていく中、事前準備のないお客さんが途方に暮れているところに、パッケージツアーを用意している事業者がさっそく声かけをして受付していきます。
しかしそれもバス3台分ほどでしょうか。
この日のお客さんは2000人とも聞きましたので、受け入れるツアー事業者や公共交通も、圧倒的に不足している印象です。
そのうちの2~300名が案内マップを片手に市街地のほうへ流れていきます。
車社会の宮古島では、ぶらり散歩しながら楽しむ街並みではなかったりするのですよね。
個人的なおすすめは平良港からパイナガマビーチの海岸沿いですが、うっかり市街地のほうへ坂をのぼっていったりすると、夜にオープンするお店が多い旧市街地に、多くのクルーズ船客がさまようことになってしまいます。
すぐにバスやタクシーを増やすことは難しいのと、どうしても街歩きを選ぶ方はいると思うので、市街地での受け入れ体制を整備していくことも必要かもしれません。
花を植えるなどして遊歩道を整備し、誘導した先の公園でキッチンカーが飲食を提供できるランチ・パークのような構想はどうでしょうか。
好評なら、将来的には雨をしのげる建屋をつくっても良いかもしれません。
せっかく島を訪れる観光客なので、「すてきな街だった」「また来たい」と思ってくれるといいですよね。
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民間事業者が整備する計画が頓挫し、市が国から借り入れて整備している港湾整備事業です。
2024年からの18年間、年間6000万ずつ支払う予定となっています。
コロナでクルーズ船受け入れが止まっていた2022年の係留施設収入は2441万円。
クルーズ船が順調に回復していけば、2024年度は1億円を見込んでいるそうで、受け入れ整備もしっかりやっていかないといけない事情があります。