PAC-3について~宮古島に配備する意味~

PAC-3についての対応をめぐり、多々誤解があるように感じましたので、少し分かりやすいようにまとめました。




誤解の一つは、ミサイル防護範囲が十数キロであることを知らないということです。
市街地のおよそ上空で迎撃があった時には、ミサイル破片は市街地に落下します。
防衛省の言うような「落下物」のおそれが、ことほどさように自治体行政をないがしろにしながら進められるほどのものであるなら、「落下物迎撃」の際のリスクや連携を市や市民に説明する必要があるはずです。



今回は北朝鮮の衛星打ち上げにともなうPAC-3配備ですが、日本政府や報道が「ミサイル」と呼称していることで、私自身当初混乱がありました。
しかし実際には衛星軌道で打ち上げるもので、防衛省もそのようにとらえています。
そもそもミサイルと想定すれば南向けに打ち上げる理由がありませんね。

似たような軌道で韓国も衛星打ち上げをしていますが、PAC-3展開やJアラートは発信されていません。

2016年、南西諸島への配備がはじめられた当初も、北朝鮮の衛星打ち上げを理由にPAC-3配備がありました。
当時も同様の疑問が論じられたようです。
外務省の説明は「北朝鮮の衛星は安保理決議違反だから」という理由でした。
政治的理由で、PAC-3を展開したり、しなかったりするのだとしたら、政府みずから政治的なPAC-3展開であることを示しているようなものです。

「戦争を演出する」という言葉が、むかし観たアニメの中にありましたが、そんな時代を生きているような気がします。

土曜日の午後の発表にも関わらず、受入れ表明をした石垣市与那国町の動きを見ると、このあたりの地ならしが本来の目的であったのではないかと感じられもしますが、行政上必要な手続きもおろそかになし崩し的に進めるやり方は、今後の宮古八重山地方の自治行政の有り方に不安を覚えさせるに十分なものです。