R5 宮古島市議会 議会運営委員会 行政視察③ 熊本県山鹿市

「歴史・文化・景観を活かしたまちづくり」を条例で制定する山鹿市
市の中心地はレトロな建物が丁寧に維持されていて、一度行くと、再訪したくなる町です。

菊池川水路の中継地として、江戸時代には温泉宿場町として栄えました。
明治にできた八千代座は、とくに映画の時代に黄金期を迎えましたが、各家庭にテレビが普及していくと、次第にその役目に終わりを告げていきます。

一度は打ち捨てられたようになった八千代座にふたたび人の足が通うようになったのは、山鹿の老人会のみなさんが復興を願って動いたから。

「瓦一枚運動」で募金をつのり、先輩たちに刺激を受けた若者たちも加わって修繕が進み、昭和63年には国の重要文化財となったのです。

明治の建築物が国指定の重要文化財とは、歴史が浅いのではないかとみなさん懸念されたようですが、土地の人の手で再建され、維持・継承の尽力が続いていることが、ひとつ評価の対象となったようです。

そんな郷土を深く愛する気持ちを感じられる山鹿市です。
市街地の古き良き景観と共存するために、条例を制定し、まちの活性化に取り組んでいます。

①まちのシンボルを作る
・八千代座・さくら湯など、まちのシンボルとなる歴史ある建築物を修繕

②まちなか整備
・重点地区設定
・歴史的風致の指定
 ・歴史的風致建造物の整備
 ・案内板の設置

③歴史的まちなみ整備事業
・道路改築
・街路灯を電柱に
・電柱地中化
・住宅の修景
 > 民間修景施設整備補助
  ⇒基準にそった(300万の補助、それ以外は100万円)
 > 大通りについては、ほとんどニーズを満たしてきた(新規申請も減ってきた)
  ⇒一歩通りを入ったところなど、整備の条件を変更していくことも今後検討

参考)
まちづくり交付金事業 H20 - H24
https://www.mlit.go.jp/toshi/crd_machi_tk_000013.html

・街なみ環境整備事業 H27 - R6
https://www.mlit.go.jp/common/001017215.pdf

また、議会運営についてもお聞きしましたが、質疑と一般質問でひとくくりにして持ち時間60分というのも、かなり珍しいのでは!?

与野党対立の少ない議会と聞いて、基本的にみんな仲がいいのかも...と市議会の雰囲気の違いに驚きました。

ワイナリーと地産地消の品々を販売するショップにも立ち寄りしました。
栗の産地でもある山鹿市ですが、その栗林からぶどう農園にかえて、新たな農産品に取り組んでいます。

見どころの多い山鹿市です。またぜひ足を運びたいと思います。