12月定例会 一般質問(解説)

6月、9月は基地配備についての質問を入れていたものの、時間が足りずに言及できずに終えてしまっていたので、12月はなんとか力をいれて話したい!と、半分ほどが基地配備についての質問になりました。

教育・福祉関係は、以前も質問にあげていたものの進捗確認です。

環境行政について、PFASにふれました。
また、後半は国民保護など質問してます。

PFASと粒状活性炭処理について

1.水道水源および地下水におけるPFAS成分について
 ①令和5年度のPFAS成分検出の有無および各地点の値について
  ア.水道水源について伺う。
〖水道部〗
[4ng/L]袖山水源
[2ng/L]西底原水源、大野水源、底原水源
[1ng/L]ニャーツ水源
※日本国内のPFOA・PFOS暫定基準値は50ng/Lですが、今年3月、米国環境保護庁(EPA)は国内統一基準値案を4ng/Lと大幅に引き下げました。
 
  イ.地下水について伺う。
〖環境衛生局〗環境保全課(水道水源流域以外の地下水)では調査をしていない。県が行う予定があり、参考の地点などを伝えている。

 ②次年度以降の調査について伺う。

〖水道部〗引き続き行う。
〖環境衛生局〗県が行う予定となっている。市での検査が必要かは動向を見ながら検討する。

 ③高度浄水処理(高機能粒状活性炭)の導入について伺う。

〖水道部〗基準値以内であるので検討していない。検査は引き続き行っていく。

宮古島の地下水で残留農薬が検出されていることについて、状況を指摘してきた地下水研究会は、その対処方法として、粒状活性炭処理による高度浄水処理を挙げています。

じつはPFASに対しても、粒状活性炭処理は有効性があることが知られています。さらに、PFASの検出がされている自治体については、浄水処理施設の整備について国庫補助でできるようになっています。

残留農薬、水道水源・野原南の井戸からPFASが検出されていることとあわせて、粒状活性炭処理による浄水処理施設の検討をもとめました。

国民保護について

1.島内における避難計画について伺う
与那国町では有事の際の島外への住民避難の説明会が行われ、「避難したくない人がいた場合はどう対応するか」との質問に、町は「強制ではないが、理解を得られるように努力するのが町としても県としても基本的な考え方」と回答したとされる。関連して伺う。
  ア.有事の際、市民が島内に残る場合の体制について、現時点において、本市に国民保護にかかる計画があるか伺う。
〖総務部〗国民保護計画では、「避難指示に従わず要避難地域にとどまる場合は、丁寧な説明を行い、残留者の説得に努める」とされている。また島内における避難については、国により有事の際、島内にとどまる場合の指針などが示されていない。国や関連機関と議論を深めながら備えていきたい

  イ.策定の考えがあるか伺う。

〖総務部〗国や県、他の自治体など関連機関と相談しながら策定について検討していく。
(※計画を作るかどうかも、国へ相談するということですね?と確認)

 ②国際人道法であるジュネーヴ諸条約第一追加議定書「軍事目標主義」および「軍民分離の原則」に基づき、民間施設と軍事施設は原則、区別されなければならない。このため民間空港・港湾で国民保護措置を行う場合、国際法上の保護を受けるために、非軍事施設であることを示す「特殊標章」を掲示することとなっている。一方、自衛隊の利用する施設における「特殊標章」の掲示は、「軍民分離の原則」に反するため国際法違反となる可能性がある。以上のことを踏まえ、次の通り伺う。

  ア.緊急対処事態(事態認定)の際に、自衛隊の共用施設する「特定重要拠点空港・港湾」において「特殊標章」の掲示は可能か、本市の見解および国や関連機関への確認はできているか、伺う。

〖総務部〗市として、文民保護が行われる場合においては、特殊標章を掲示すべきものと考えている。一方でジュネーヴ諸条約追加議定書が適用されるのは国と国の間に起こる武力紛争が発生した場合になり、当事者が守らなければならない事項とされる。当事者である国が適切な対応をしていくべきもと考える。市としては、引き続き国や県、関係機関と連携し適切に対応してまいりたい。
また、関連機関の見解として内閣官房に質問したが、回答は「特定重要拠点施設については、その制度や仕組み、具体的な内容について今後ルールづくりを行っていく。指定施設に特殊標章を掲示できるかは、現時点ではお答えできない。施設の内容が固まり、明らかになったうえで、特殊標章との関係を判断するのは防衛省と外務省である。

  イ.宮古空港下地島空港について自衛隊による訓練等の利用を求められた場合の本市の見解を伺う。

〖副市長〗(事前の質問「有事下において、自衛隊が使用する空港で国民保護措置は行えないのではないか?」の質問に関して)有事において国の指定した特定重要拠点において特殊標章が表示できるかは明確な規定があるか不明であり、お答えできない。
平時においては、交通や物流など民間生活に影響が出ることはあってならないと、市として求めている。

与那国町で開催された「住民避難」の説明会をベースに、宮古島の対応を確認しました。
とくに有事の際、島内にとどまる市民がいる場合の対応について、市は計画を策定しているのか、する予定があるのかお聞きしました。

回答は、島内にとどまる場合に何が必要になるのかなど国による指針もなく、計画を立てるかどうかも、これから国や関連機関と相談していくということでした。

島に残ることは、現在の国の仕組みでは用意されてないのではないでしょうか......

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また、国が新たに指定する「特定重要拠点空港・港湾」について、宮古島からも宮古空港下地島空港平良港が指定されることとなっています。

「特定重要拠点空港・港湾」は、国が民間空港を有事の際に自衛隊が利用できるよう平時より「デュアルユース(軍民共用)」するというものです。

しかし国際人道法であるジュネーヴ諸条約を読むと、「軍民分離の原則」が基本のため、「軍民共用」は許容されていないのです。

有事の際、国民保護措置を行う空港や港湾は「特殊標章」を掲示して保護の対象であることを識別できるようにします。
しかし空港や港湾を自衛隊など軍事行為を行う部隊や物資が置かれれば、国際法上、保護は消滅します。

いったいその空港は、保護されるのでしょうか? 保護されないのでしょうか?

そこで、「特定重要拠点として指定される空港・港湾は有事の際に特殊標章を掲示できるか?」という質問をしました。

回答は、

特定重要拠点は、今後ルールづくりを行っていく予定。
特定重要拠点において特殊標章を掲示できるかについては、現在のところお答えできない。

でした。

私は、これは「有事の際、特定重要拠点で『特殊標章』を掲示することはできない」ことを否定できなかったものと受け止めています。

「国防を優先させるか、国民保護を優先させるか」

民共用すれば国民保護ができなくなる可能性を否定できないままに「特定重要拠点化」を進める国や防衛省は、「国民保護をないがしろにしている」と言われてもやむ負えないことです。

とくに現在、沖縄県が難色を示している中、無理に推し進めるのであれば、国は国民保護を踏みつけにしながら、沖縄に国防による犠牲を強いていると言われても仕方ありません。

空港・港湾の問題は、離島はもちろん、那覇空港佐賀空港岡山空港などすでに軍民共用の実績づくりが始まっている状況でもあり、今後、全県、全国で一致して取り組まなければならない問題です。

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ここまで詰めて話しても、誘致派の議員さんは「自衛隊は国民保護に必要」との認識を変えません。宮古島市も有事なら島外避難しか選択がないことを知って、配備とその拡張を受け入れていることになります。

「有事は起こらない」と思って、地域振興を選択しているのかもしれません。
有事なら島を出ていくことは仕方ないですか? そうでないなら、議会に市民の声は届いていないことになります。

ぜひ宮古島に住む皆さん一人一人に考えてほしいことです。