未来創造センター多目的ホール「神戸大学 星信彦教授講演(宮古島地下水研究会) 」「藤森丈晴"命の講演会"in宮古島」

神戸大学 星信彦教授講演(宮古島地下水研究会)

神戸大学の星信彦教授が来島されて、ネオニコチノイド系農薬とその影響についての講演を行いました。

一貫してお話されていたのは、国の基準がEUなど諸外国に比較して緩いということです。
胎児や幼児はじめ、個々人によっても感受性に差があるため、一律に基準値で測れるものではないことなど。
とくに胎児は母親の母乳から濃縮してしまうので、成人体重で計算されるADI(許容1日摂取量)で安全性が測られるものではないという説明でした。

この問題について多くの議員が、市議会で対応を求めてきましたが、市としては「国の基準値内なのでただちに対応する必要はないと考える」というような回答です。

私も水道部に度々足を運んで話をしていますが、「調査は引き続きする」との回答、調査だけでも年間数千万かかるようです。
そのうえ浄水施設の建設は億単位の費用が必要で、活性炭を取り替えるのにも年間数千万の予算がかかります。

農薬を使わない選択のほうが環境にも財政にも良いのですが、現在、補助対象となっている品目を対象から外すとなると農家の反発が考えられ...と、水の問題は、市民の選択としてあがっていかないと難しいようにも感じています。

もし国の基準値がEUにならって厳格化されれば、ネオニコチノイド系農薬の使用制限や、PFASへの国による整備支援など動けるものも多々出てくるとは思うのですが... 査読を経て科学誌に掲載される学者の論文は参考にされずに、薬品企業のデータが採用されてしまう国のあり方に疑問を投げかけていました。

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講演内でも紹介されてたTBS特集は、マウスの実験でネオニコチノイドの影響が示唆される最近の研究事例を紹介。番組の後半では、減農薬に取り組むJA佐渡のケースを紹介するなど、私たちが何を目指していけばいいかまで触れる内容で、必見です。

藤森丈晴"命の講演会"in宮古島

元競泳日本代表の藤森丈晴さんが来島されての講演会。
水の勉強会ののち、同じ会場での講演でした。

2021年に現役引退後、翌年6月にトラックと衝突する事故に遭い、生存率5割という状況に一時おちいったものの、回復。その後、リハビリ訓練を経て、歩ける状態まで回復しました。

その藤森丈晴さんの「命の可能性」についてお話される講演。

とくに事故ののち病院で目が覚め、将来に悲観した時期や、そこから「生きていける」と確信を持てたきっかけのこと。
自分の境遇に打ち勝とうと努力を続けたことのあたりは、引き込まれて聞きました。

話しぶりからも、自分の人生への戸惑いという真摯な面と、努力に努力を重ねる強靭さと、人柄が伝わってくるような講演でした。

私も今年はドナー提供者として入院したのですが、病気と闘う人の気持ちに近づけたような、まだ近づけないような気持でいます。
藤森さんの、出会ったたくさんの人の言葉や関りが、今の自分が生きていることに繋がっているという話に元気をもらえました。

大切な人たちに大切と言っていくこと。
大事なことをあらためて教えてもらった気持ちになりました。

縁あって宮古島に来ていただいたことも、また、宮古島へ呼んでくれた人たちがいたことも。感謝したくなる時間でした。