平和の海ための島々連帯キャンプ in 宮古島(二日目 保良公民館)

朝夕涼しくなった11月、国内外から集まって平和について考えるキャンプ合宿が宮古島で行われました。

三泊四日、宮古島の歴史や、土地の生活にふれ、また近年配備され拡張することが分かっている防衛関連施設などを見学するツアー。
二日目の午後は自衛隊保良訓練場を見学、近隣公民館をお借りして、それぞれの地域での市民活動について意見を交わしました。

私は二日目に参加、陸自弾薬庫の近隣に住む一人として続けてきた活動などお話しました。

ツアーに参加された50名を超える参加者のうち、韓国の済州島で米軍基地配備について反対活動をされている方から二人ほど報告がありました。
また、近年台湾有事と取りざたされる台湾から、父親が金門島の兵士だった方のお話。
「台湾の皆さんは有事が起こるとどの程度心配しているのか」という質問に、台湾、香港の方がそれぞれお答えされていました。

済州島のみなさんは、自分たちの活動にとても誇りをもっているように感じました。
激動の歴史的体験を経て平和の島とされた済州島が、いつの間にか軍事の島になりつつあること。
楽しく続けることが運動にとって大切、だからダンスをしたり、抗議活動のあとはみんなで食事をしたりするのだといいます。
また、平和の問題に限らず、環境のことも取り組みたいということでした。
さまざま社会問題への関心が、また非軍事を求める運動へもフィードバックされて、もっと持続性を持っていくのだろうと思いました。

台湾は、以前は市民運動などできる社会体制ではなかったので、政治家への働きかけで社会を変えようという傾向が比較的あるということでした。
台湾は民主的な社会というイメージがあったため、韓国の皆さんの明朗とした市民活動の報告と比べ、少し意外でした。
歴史を紐解くと、台湾は古くからの人たちと、大陸から渡ってきた人たち、また日本統治下の時代や、さらにその後の蒋介石の時代など、大変複雑な人の層で社会があることが思い起こされました。
ルーツが異なれば、政治的な立ち位置も異なり、その複雑さの中で生きる知恵として、様々な立場の人を配慮するような気づかいになるのかもしれません。

かつての地下施設が、今は観光名所となっているという金門島
当時の兵士だった人たちは、今でも国防を担っていたことを誇りに思っているのだといいます。
けれども若い世代は新しい時代を見ていて、「台湾有事は日本有事ではない」とはっきり話されていました。
台湾からの参加者の方々は、両岸問題を穏当な話し合いと知恵によって解決することを望んでいるように感じました。

そうした中でぜひ意見を言いたいと、香港からの参加者が手を挙げ、国というのはもっとうわてであり、慎重さが必要であることなどを話されていました。

まだまだ話したいことが言い足りないところで、時間が来て、続きは宿泊所に戻ってからにしましょうとなりました。
一時間はとても足りなかったですね。

お互いの国のことをもっとよく知ること。
違いを知ること。
そしてアジアに住む私たちが、次の時代をともに作っていくために、まずお互いが生身の人間であることを知ること。
基本的なことですが、なかなかそれを体験する機会は少ないものです。

後日、宮古島や沖縄島から参加された方ともお話する機会がありましたが、それぞれに深く考えることがあったようで、参加された皆にとってすごく貴重なツアーになったものと思います。

対話して何かがすぐに解決するわけではないですが、対話なしには何事も解決しないですね。
短い時間でしたが、基本的で、とても大切なことに気付かせてもらえました。