R5 宮古島市総務財政委員会 視察 三日目「長崎県雲仙市:定住促進支援」

宮古島市総務財政委員会 視察 三日目は長崎県雲仙市の定住促進支援です。
定住促進支援は、今やどの自治体にもある政策ですが、じつは宮古島市には独自の取組みがありません。

例えば同じ県内で言えば、宮古島によく似て観光需要が高い一方で、家賃や土地の高騰に悩む恩納村などは、定住促進係を設置して住みよいまちづくりに取り組んでいます。
爪の垢を煎じて飲まなければならない事態です。

雲仙市の定住促進支援は、住みたい街ランキング全国7位と、高い評価がされています。
島原半島北部の雲仙市におじゃまして、定住促進支援のお話をお聞きしました。

予算を大きくあてて定住促進支援と結婚応援子育て支援を行っている雲仙市
取り組んでいる施策も幅広く、率直な意見もきけて、大変勉強になりました。

とくに宮古島市には空き家の利活用を進めてほしいところ。
しかし空き家バンクなど、空き家利活用促進は、すごく手間がかかる一方で、飛躍的に効果があがるものでもないようです。

アウトリーチして情報を集め需給をつないでも、多くは家の所有者が積極的に貸したいと思わないと、話が止まってしまうのです。
それでも空き家利活用数が147件と、結果は出ています。
小さな自治体にとって、家族一世帯でも大きなものです。

取り組む中で見えてくるヒントもあるかもしれません。
効果を小さく見積もってやらないのではなく、まずはとっかかりを考えてほしいところです。

新築への助成がもっとも安定して定住につながるのだという話がありました。
普通に考えてそれはそうですね。

意見交換の中で、定住を考える人が地域に入れるような仕組みがあるといいのではないかという話が出ました。

たとえばマラソンが好きで宮古島に移住したいという人がいたとして、マラソンが好きな人たちのコミュニティが地域にあれば、そこを通じて地域になじみ、ささいな相談や助けあいに繋がっていくかもしれません。

雲仙市には、あまりスポーツイベントがないのだという話もありましたが、ちょうどその日は島原半島を走る、県の駅伝大会が報道されていました。

日本で最初にユネスコ世界ジオパークに認定されたのが島原半島です。
人と活火山が共生する風景を走れば、大地の鼓動を感じられるはず...

島原半島の歴史と地理と、温泉と。ゆっくり堪能したい気持ちでしたが、翌日の飛行場へのアクセスを考え、夜は熊本市に宿泊でした。

雲仙市にも泊まりたかったなと、名残惜しい島原の旅でした。

雲仙市
・4万1千人
・299億円県内19%
 > 住んで、発信をする人が増えている

【定住促進支援にいたる背景】
[人口推移]
 1950年:75,561人
 2010年:34465人
 2040年:31755人

自然動態(出生数) - (死亡数)
 H8年以来、死亡数が出生数を上回る
 R4:427人
社会動態(転入数) - (転出数)
 転出数が多い
 R4 +32人
移住者数増 162 > 250
 外国人労働者をたんに短期の労働者とあつかうのではなく

島原半島の状況]
・雲仙:島原鉄道があり、交通の便は比較的良い 減少率:41.6%
・島原:高校5項、病院も多い > 便利である 減少率:26.2%
南島原:減少率:46.8%
長崎市:減少率:25.5%
  > 島原鉄道:人材不足でダイヤを減らした
  ➜ 人口減少を最重要課題としている

【どんな施策?】
*会計年度 2名 コーディネーター
・お試し住宅
 > 民家を2-30日
 > 30%稼働 コロナ後はほぼ予約が埋まっている
  ➜ 定住にはつながりにくいが、雲仙市を知ってもらうきっかけにはなっている

・空き家の有効活動
 > 空き家バンク
 > 専門の会計年度任用職員1名
  ≫ 情報収集
  ➜ 空き家リフォーム助成:1/2 (上限50万)/仲介手数料(上限10万円)

[家賃補助]
・住宅取得補助
・固定資産税

[農業、漁業、商工業]
・研修者への支援
・新規事業者への支援

[出会い~結婚~出産まで一貫支援]
・奨学資金償還補助金
・結婚、定住資金
  > 結婚支援
  > 赤ちゃん支援
・子育て応援住宅支援事業
  > 補助率1/5 (上限40万円)
  ➜待機児童ゼロに
・結婚支援
  > 県:お見合いシステム登録料補助
  > 企業間交流事業(独身者グループ交流)
  > 婚活イベントへの補助

【財源措置は?】
[R4実績]
5800万(定住促進)
8800万(結婚応援)
 ーーーーーーーーーーーーーーー
14600万 *予算は増加

[定住促進]
・新築住宅取得補助 2000万 300件ほど
・若者UI補助 109件 1700万

[結婚応援事業]
・3700万 201件
 > 3年間補助 
・赤ちゃん支援金 3400万 170件

[移住促進班]
 職員2名
 会計年度 4名
 ーーーーーーーーーーーーーーー
 6名

Q. 一番効果が得られたと感じる施策は?
A. 空家バンクは費用対効果が難しい
 ・会計年度1名配している
  > 登録できるような物件があるか?現地調査
  > 241自治会 >> 自治会長と連絡をとりあって調査
   ・H29年に一度&随時
   ・所有者の調査 > 登録する
   ・契約にははいらない(紹介)
 *成立の実績
  > H24~R4:147件

[空き家バンク対応]
・住めるかどうかの判断
 > 目視
 > 登録しませんかと声かけ
   ≫ アウトリーチ
・ 空き家調査補助金:7000円
 > 所有者からの依頼で空き家バンクに登録する
 > 誓約書:実績に対して補助
 > 自治会加入への制約(要望)
   > 地域で子育てしてほしい
   > アパートに入ると自治会に入らない

・移住コーディネーター(雲仙市南島原市
  > 移住者を呼び込む ≫ よそとの取り合い
  > 地元をどう残していくか
   ➜ 中学生アンケートをしたい(どういう雲仙市なら残りたいか)
 
・婚活サポーター
  > 養成講座:10名くらい(どういうことをスキルとするのか)成功まではまだ
 ・グループ交流促進 3名以上
 ・市営住宅の入居
  ・建築課 > 場所によっては希望が多くて抽選、離れたところは入居が少ない
  ・自家用車も
   
・H17年 合併以前から施策はあったか?
 H27年 支援制度を充実
  5市町村:市町村の会 > 持ち帰って宮古に広げた
  ・成果があがらないと辞めた
  ・地域に入っていけない、トラブルが発生する
   ➜ 誰もが住みよい地域をつくる大切さ
   ➜スポーツなり地域とつなぐイベントがあるといいのではないか

[Uターン]
R4年度/33世帯(80人)