来間島:農作物へのバッタの被害

國仲県議の呼びかけで、与党市議会派で来間島の農作物へのバッタの影響を聞き取りに伺いました。

いつもはキビ畑の間の道を車が通りすぎるだけで、バッタの群れがバサバサと飛びだしてくるそうですが、台風が近づく天気で風の音の他は静かな島内。

バッタの姿は見えませんでしたが、虫食いになったサトウキビの葉は見ることができました。

畑によって被害の状況が違うようです。比較して見ると、まず灌漑がされていない畑は被害が大きいということ。

それから、丁寧に雑草を取り除いた畑も比較的影響が少ないのではないかという話もありました。

さらに農薬が逆に作用している、つまりバッタの天敵となるカマキリや鳥などの生き物が寄り付かない畑により影響が大きいという見立てもありました。

宮古島市はバッタの対策として、来年春に農薬の散布を検討しているようです。

多良間島伊良部島で先行して、バッタ対策のための農薬散布もしているようだから、その効果検証はしているのか? など調べる必要があるのではないかというお話でした。

農薬を使わない農業というのは、身近にサトウキビを育てている人に聞いても「ありえない」と言います。

ただ、無農薬でサトウキビを育てている農家もいて、農業が環境負荷の高い産業のひとつであることを考えると、ゆくゆく宮古島環境保護としては、無農薬や減農薬といったルートも切り拓いていく必要があるようにも思います。

今回の聞き取りのお話の中にもあったように、実験圃場を指定して無農薬・減農薬のモデルケースを作っていくようなことを、小さな規模でよいので、市のけん引があっても良いのではないかと思います。

おりしも宮古島の地下水保全の課題から、農薬をいかに減らしていくかというところが求められてきています。

無農薬・減農薬の作物はまた、ブランディングと販路の開拓も同時にやっていかないといけないものですが、一つずつ可視化して実現していくことが、この島の希望になるものと思います。

また島の環境保全として、ウミガメやヤシガニの保護に取り組むというお話も伺いました。

ヤシガニはすでに保全条例がありますが、それでも島内で姿を見かけることはほとんどなくなりました。またウミガメも産卵する浜がずいぶん減っているようです。

ジュゴンの話も少し話題にのぼりましたが、こういった生き物たちの実態調査はほとんどされていないものと思いますので、現状と今後の市の取組みなど調べていきたいと思います。

そのほか、オーバーツーリズムから海岸線の開発やマリン事業者の過多なども話がおよびました。

海岸線の開発抑制については、他自治体の先行事例もあるので、近く視察などでお話を聞きに行きたいのですが、宮古島市でも過去、観光条例を作ろうとしたことがあったようです。しかし建設業界からの反発も強く、制定にいたらなかったと聞いています。
今一度、勉強会などで機運を盛り上げるところから必要かと思います。

またヤシガニ・ウミガメツアーなど懐中電灯片手に浜辺へ行くと、かえって生き物たちが浜に寄り付かなくなるなど、負の影響を与えてしまうこともあります。
こうした事業者の抑制や規制は、何をもとに規制するのかというという線引きが難しく、また浜におりる権利の侵害となりかねないため、かなり困難なのが現状です。

ひとつ考えられる方法としては、地域と事業者組合で協定を結んで、ルールを守った観光を行ってもらうことです。罰則はつけられないのですが、ルールを守らない業者に注意喚起する、周知しブランド化することで観光客により質の高い観光を選んでもらうなど、いくらかやりようが出てきます。

地道な努力が必要ですが、効果はわずかかもしれません。

竹富町が入域観光客の上限を定める方針を出しましたが、宮古島市も離島部において何かできることがあるのか、他市町村の例を参考にしながら考えていきたいと思います。