クボタ トラクター直進アシスト! 実演会 at. 宮古島城辺

城辺のとある農場でトラクターの自動運転実演会があるというので、近所に住んでいる身として行かなければ!と、午前中から実演会場のキビ畑へおじゃましました。

宮古島の農業産出額の44%はサトウキビ。冬場のこの時期は、夏の日差しや台風にも耐えて育ったサトウキビを刈り取る季節です。

刈り取り機のハーベスターが入れない畑では丁寧に手刈りをする光景が見られますが、宮古島は土地改良を施した畑が多く、今ではほとんどが機械の刈り取り。

今回、実演したクボタの直進アシストは、衛星測位システムを使用することで、トラクターが自動で直進する機能です。

誰でも簡単に操縦できるというので、私もトラクターの操縦にチャレンジしてみました...!

畝にタイヤをとられて横転したらどうしようとハラハラしたのですが、運転をスタートさせると、自動に補正を行いながら直進していきます。

ラクターをUターンさせる時はハンドルを回す操作が必要ですが、それ以外はハンドルを握る必要がありません。

操縦中は常に緊張しているものですが、その必要がないということ。また、女性や若い人でも操縦が楽にできるため、後継者や担い手を増やしていく点でもメリットがありそうです。

自動直進の仕組みや価格帯を聞いて感じたのは、いち農家で導入するのではなく、複数農家で導入するのが通常であること。農業法人単位で導入するのか、あるいはJAといった大きな組織が関わるか、また、行政がかかわるという形もありかもしれません。

北海道や福井県では、JAが主体となって、衛星測位システムの固定基地局を導入しています。

とくに福井県では県内各所に基地局を配置することで、全域で使用できるよう整備を行ない、導入農家が大きく増えたといいます。
農林水産省の「スマート農業技術の開発、実証プロジェクト」を活用して実証実験を行い、令和3年度からは基地局を5カ所に増やして、国内でも先駆けてスマート農業の導入を実現しています。

担当の方から聞いたお話で興味深かったのは、徳之島の事例でした。

小さな面積の畑も多い徳之島ですが、南西糖業の子会社で、農作業受託・肥料農薬の販売などを行う南西サービスさんが、トラクターを更新する際にKSAS(クボタスマートアグリシステム)を取り入れました。

これがきっかけとなり、現在では徳之島ほぼ全域を対象にシステムによる圃場管理を行っています。
生育状況や、刈り取り時の工場との連携はじめ、生産量や糖度の改善など、有効活用に向けての取り組みが進められているようです。

スマート農業というと、大規模経営のイメージが強かったのですが、ひとつの島で組合を作っていくことで、小規模農家の稼働もある程度維持しながら、デジタルによる農業の効率化と増収増益、後継者・担い手づくりの課題に取り組んでいけるかもしれません。

ちなみに衛星測位システム基地局の範囲は半径20キロメートルだそうです。宮古島の中休のあたりにおけば、1台で全域をカバーできる規模です。

こうしたインフラを整備して、スマート農業への取り組みがスタートできるといいですね。

[参考]