石川直樹さん写真展&短編映像 新作上映会(at. パニパニシネマ & PALIギャラリー)

仕事納めを前日にして、気の緩むような、また年の瀬の慌ただしいような気持の入り混じる12月29日、夕方から宮古島の映画館パニパニシネマでは写真家の石川直樹さんを迎えて、短編映像の上映会が行われました。

午後から映画「アバター ウェイ・オブ・ウォーター」を見ながら、引き続いて夕方からの上映会。石川さんがヒマラヤ山脈カラコルム山脈に登頂した時の映像を観ながら、山のこと、麓の町の人たちのことなど、山と旅にまつわるお話をお聞きしました。

美しい山々...と言いたいところですが、気まぐれな天候に時折おこる雪崩、吹きすさぶ雪風、前髪をうっすら凍らせながら朝を待つテントなど、またお話の中から伝わってくる厳しさに、なぜそこまでして登るの?と考えてしまいます。

それに答えるように、山に登ることで自分の体が入れ替わって新しくなっていくのだとお話されていたことが印象的でした。

映画館と同じ通りにあるアートギャラリー「PALI Gallery」では、2月26日まで石川直樹さんの写真展を開催中です。

この日は上映会のあと特別に22時までギャラリーを開けているということで、写真展にも寄らせていただきました。ギャラリーでは参加者からの質問を受けながら、ざっくばらんなお話をお聞きできて良かったです。

麓の町の人たちは、登山に来る人たちをどう思っているの? 死生観が変わる瞬間はありましたか? どうして暗い内から登山を始めるの。雪男の伝説は本当? などなど。気軽な質問にも丁寧に答えてくださっていましたね!
雪男はほぼクマと言われると少し残念でしたでしょうか。

今回の展示はフィルムカメラでの撮影なのだそうです。山で撮影する時に、フィルムは大変ではないのかなと思って質問したら、デジタルと違ってフィルムは一枚一枚現像するので、二つと同じものが無いのだと答えられていました。

NFTアートで唯一無二の価値と言ったりしますが、アナログであることは自然と唯一無二なのですね。
私も大昔はフィルムで撮影したりもしていましたが、現像するまで仕上りが分からないので、撮影から現像までの間にある想像力が必要だったように思います。

旅が終わるまで開けることのできない箱。その贈り物の箱を広げたようなPALIギャラリーの夜でした。ショウガの効いた温かいチャイも美味しかったです。

個人のスタジオで製本したという写真集は、厚みがあるのにホッチキスで留めたという、大型書店には並ばなさそうな変わった作り。二つと同じものがないというフィルムの話にもつながるようなアナログ感があります。

青い海に包まれた宮古島から天へとそそり立つカラコルム山脈を臨む。写真展は2月中旬まで開催されています。

また、年明けて1月3日には午後3時から「アーティストトーク in PALI Gallery」として、石川直樹さん、ギャラリーオーナーの新城大地郎さん、今回の写真集を手掛けた編集者の大城壮平さんのトークイベントがあるそうです。

papersky.jp

www.paligallery.com

興味のある宮古島のみなさん、ぜひ足を運んでみてくださいね!