宮古島市 二度目の不信任案否決について

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宮古島市 令和3年度、二回目の不信任案です。

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野党議員が不信任とした内容は、
①職員選考採用において不備があったこと
 ・選考の際に必要な委員会の立ち上げがなかった
 ・選考の際に必要な候補者リストの作成がなかった
 ・メディアへの周知がなかった
②し尿処理施設への見直し計画
 ・頓挫する可能性が高いものを進めようとしていること
③官製談合の疑いがあること

これに対して私の討論内容は、

①職員選考採用において不備があったこと
選考の際、必要な委員会の立ち上げ、候補者リストの作成がなかったことをもって、ただちに不信任とすることは適当ではない。
また、一般質問において「口利きがあったというような話も聞いている」という発言があったが、口利きに対する疑惑が、不信任に対する真の理由であれば、これは噂話のレベルを出ておらず、不信任には相当しない。

②し尿処理施設への見直し計画
頓挫するとしている理由が、計画変更により内定していた補助金がおりない可能性があるとしているが、一般質問で「補助金獲得にはコネを使うことも必要」というような発言もあり、国政与党でなければ補助金獲得ができないことを暗にほのめかしている。
常識を考えれば、こういうことをもって「頓挫する可能性が高い」と言えるものではない。

※これについて私は、「補助金にはコネが必要」「コネがなければ防衛省補助金を出さない」ということは、ありえないと思っています*1防衛省を疑う必要もないと思っていますが、国政与党に連なる方々が「中央とのパイプ」などの言葉を堂々と使って、身びいきの補助金支出をほのめかす構図が、令和の時代になっても続いているということについては憂慮しています。

③官製談合の疑いがあること
根拠として提出されたのは建設会社ごとの指名回数のリストでしたが、会社によって10回以上指名を受けているところもあれば、1、2回のところもありました。市の回答は、これまで(前政権において)は指名ゼロという会社もあった中で、今後時間をかけて数の開きをなくすようやっていくとのこと。
個別の事例が示されたわけではなかったため、根拠を示すようにと与党議員から求められていましたが、提案議員はこの場では言えないとのことでした。事実でなければ名誉棄損ともなりえる案件です。根拠を示せないのは、それだけまだ嫌疑不十分ということと解して、不信任に値しないと意見をのべました。

結果的に、野党議員のうち自民会派が退席して、残った議員のうち賛成者数4分の3に達することができなかったため、不信任案は否決されました。

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動画の中で長らく休憩する場面があります。
休憩中の声が一部聴こえているので察することも可能かと思いますが、私の「一般質問で『補助金をもらうのにコネが必要」という発言があった」という発言をめぐって、発言があったかなかったかで意見の相違がありました。

議会は休憩となり、議会事務局において両者立ち合いで、一般質問での「行政職員で防衛省と折衝したところで上手くいくと私は考えられない。ここは市長が行って、政治判断をしっかりと求めて行くくらいの方向性を示して、あらゆるコネをつかっていかない限りはできないんじゃないかと私は考えます」との発言を確認しました。

この発言について議員は、ここをそういう風に受け止めたの?とのこと、「補助金獲得にコネが必要という意味で言ったのではない」ということだと思いますが、この後の「(計画変更に)国も困惑していますよ」というような発言であったり、総じて私は「コネのない市長には防衛省補助金を引き出すことは困難」というメッセージだと受け止めました。

発言確認ののち、この件はこれでということになったので、互いに不問としました。

こちらは参考に。

 
補助金交付が飴とムチとして使われてきた過去を踏まえると、一連の質問を問題に思う気持ちもお分かりいただけるかと思います。

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9月議会が始まる前から、不信任案が出される可能性について、与党内では懸念していました。し尿処理施設建設の計画変更について、調査委員会を立ち上げていたので、その関連で出してくるだろうという読みもありました。

この時点で不信任案が成立すると、市長は失職するか、議会解散権により市議会議員選挙となります。しかしもともと10月に選挙を控えているため、現職議員に与える影響は(任期中解散より)少なかったものと思います。

また選挙後には再度の不信任決議となり、与党の数が少ない場合には成立し、市長は失職してしまう可能性があります。千載一遇のチャンスを逃すわけにはいかず、どんな理由であっても不信任案を提出してくるのでは、と戦々恐々としていました。

最終本会議の前日の一般質問において野党議員から、職員選考採用について、また官製談合についての疑義が飛び出したことはおどろきでしたし、市当局にはせめて丁寧な説明をしていただきたかった。

官製談合については情報公開請求でとった業者ごと指名数のリストだけでしたので、これで談合があったとするのは難しいと感じました。

職員採用の件は、正直のところ情報不足です。関係部署からは「条例にのっとっても選考採用に委員会は不要」というような聞き取りもあり、情報が整頓されていない中でしたが、「口利きがあった」とする話の信ぴょう性もどの程度のものか測ることもできないため、不信任とするには未確定の情報が多すぎると主張させていただきました。

また採用となった部署での部長答弁において、「外部の誰かに頼まれたことはない」「私自身が推した」という明朗な回答があり、そこを信じる思いでいます。

私が宮古島市に帰郷する以前の話ですが、職員の不始末の責任をとって市長が辞任するということがあったと聞いています。たとえ市長が関わっていなかったとしても、与野党勢力比において辞任を迫られることもあると踏まえれば、選考採用の経緯については、やはり軽率であったと言わざるを得ないのではないでしょうか。

1月の市長選においては、クリーンな政治をうったえて市民の心をつかんだのだと思います。市政を支える議員のひとりとしても、そのことは片時も忘れるべきではないと、当たり前のことですが、9月議会においてはそう強く感じさせられました。

*1:希望も含めてとお考え下さい。