宮古島への弾薬搬入について、琉球新報が6月8日付で社説を書かれていました。
陸自はミサイル改良も進める。12式地対艦誘導ミサイルの射程を現在の百数十キロから約900キロに伸ばす。相手の射程圏外から攻撃できる「スタンド・オフ・ミサイル」として配備する計画だ。
陸自が改良を進める12式地対艦誘導ミサイルの射程距離は900キロといいます。
いったいどのくらいの範囲が射程距離になるのでしょう。
宮古島に配備した場合です。
射程範囲が中国大陸に大きくかかることが分かります。
奄美大島。かなり配備展開しているので、この線もありそうだと思いましたが、半径を設定してみると、先島諸島の方がより大陸をカバーすることが分かりますね。
政府は先制攻撃能力を持つことをめざして検討していると伝えられています。
先制攻撃能力をどこに置くか? と考えていくと、少なくとも中国を想定すれば、当然、南西諸島になるわけです。
相手国のミサイルを事前に破壊できる能力があれば、日本への攻撃を思いとどまらせることができる―。政府・自民党が保有の必要性を説く根拠だ。
こういうことを見ていくと、南西陸自配備は単なる空白地域への軍事力配備ではないことが分かると思います。
ここでいう抑止力というのは、宮古島が攻撃されることの抑止力ではなく、日本が攻撃されることの抑止力であること。
そしてそのリスクの吐き出し口として南西諸島地域があることが理解しやすいのではないでしょうか。
こういう構図を見ても、南西諸島に住む立場で「日本と米国が中国から守ってくていれる」と思えるものでしょうか。
この4年間、防衛省としばしば対話をする機会がありましたが、しみじみと感じるのは、防衛省や自衛隊は、少なくとも南西陸自配備においては、その島に住む人々は存在しない想定で配備展開しているということです。
国民保護の責務は地方自治にあるので、担務外と思われているのかもしれません。
特に台湾海峡を巡り米中が対立を深めている現在、軍事衝突が起きれば南西諸島が最前線となる。15年に成立した安全保障関連法に基づき、日本が直接攻撃を受けていなくても米中衝突によって「存立危機事態」と判断すれば、自衛隊が武力行使できる。その場合、自衛隊が配備されている宮古、与那国などが巻き込まれるのは必至だ。
日本の安全保障の「防波堤」として県民の命が脅かされる事態は到底受け入れられない。攻撃対象になる事態を招く弾薬搬入が秘密裏に進められることは看過できない。日本政府は米中の間に立って平和的解決こそ目指すべきだ。
<社説>宮古島に弾薬輸送 追加搬入やめ説明尽くせ - 琉球新報デジタル|沖縄のニュース速報・情報サイト