宮古島:城辺地区 3中学校の視察

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2021年4月、城東中学校が開校となり、各学区の子どもたちの明るい声があたらしい校舎にこだましました。

その数日前、3月の末には旧城辺町の中学校それぞれの閉校式が執りおこなわれ、私も福嶺中学校の閉校に立ち会ったのですが、母校が学び舎としての役目を終えていく節目に立って、とても寂しい思いにさせられました。

福嶺中学校

4月も半ばになりましたが、会派 市民ネット結で閉校となった3つの中学校を視察にいくことができました。

仲里市議に調整いただき、教育施設課の担当の方と待ち合わせて、まずは福嶺中学校へ。

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平成18年度に校舎建替えした福嶺中学校。こぢんまりしているものの、比較的新しい建物で、周辺の整備をおこなえばすぐにでも活用できそうです。

いくつか見学の申し込みは来ているようですが、実際に具体的な話までは、まだ進んでいないとのこと。
市街地から遠いことがネックですね。老朽化が進む体育館などは農作物を育てるハウスとしての打診もあるようですが、校舎のほうは人の声のあふれる施設になってもらいたいな、と思いました。

城辺中学校

お隣りの福嶺小学校へご挨拶をしてから、さて城辺中学校へ。

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先にご挨拶した福嶺小学校の校長先生、じつは城辺中学校の閉校を見届けた校長先生でもありました。

福嶺小学校に赴任してきて、まず建物の老朽化に驚き、市教育委員会へ諸々と要請を出したばかりのところ。そんな校長先生のお話をうかがったあと城辺中学校に足を運ぶと、細かに手入れの行き届いたきれいな施設内。人の努力あって環境が整っていくのだと、あらためて感じさせられました。

木材で統一された、ぬくもり感じさせる内装。点字ブロックが敷設され、大きく幅をとるなどした廊下をはじめ、生徒たちの安全を考慮した設計になっていることが分かります。

城辺中学校はすでに、宝塚医療大学が4年大学1年目のキャンパスとして利用の意向を申し出ています。空の施設でおいておくよりはずっと良いと思いますが、かつては城辺町の中心であった地域として、学校施設が地域の手を離れていくこと、なかなかすぐには受け止められないのではないでしょうか。

美しい校舎を、生徒たちはきっと誇りに思っていたにちがいありません。隅々の丁寧な使い込みに、そんな風に感じさせられました。

砂川中学校

その城辺中学校をあとにして、最後は砂川中学校へ。

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帰郷してすぐの学校統廃合にかかる住民説明会、右も左も分からないままに参加しましたが、とても印象的でした。とくに城辺・砂川の反対は根強く、西城地区に建設されるなら私たちは新しい中学校は選ばない。より近い上野中学校を選びますと意見した声。それに対しての当時の教育長の、どうぞご自由にと返したあの一幕が、今でも忘れられません。

その砂川中学校、西に傾いた日差しが校舎に差し込んで、とても明るく感じました。

教育委員会 生涯学習振興課の市史編纂事業にかかる資料をはじめ、埋蔵文化財の倉庫となる予定で、職員のみなさんがせわしなく準備をしている最中でした。

建物の老朽化で、年度切り替わりに追い出されるように砂川中学校への移動をよぎなくされた、と聞いていたのですが、足を踏み入れてみれば校舎内はとても広く、しっかりしていて、雰囲気も良いのです。

何よりももともと教育施設だけあって、エントランスや二階までのアプローチなど来館者を迎えるのに最適なつくり。そのまま資料館としてオープンしても違和感なさそうです。

職員の方が「エントランスのショーケースには宮古上布を飾りたい!でも紫外線に弱いから難しいかも」「この先は全部資料室、コンテナ7つ分もある! 前に自分で作った棚を自分で解体して、また組み立ててる」などと話していて、帰り道に仲里議員の言った「表情がキラキラしていたね!」という感想がまた、忘れがたいものになりました。

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窓ガラスのステンドグラス風の装飾が、校舎内を雰囲気ある空間にしています。階段からの窓むこうにはファームポンドときび畑の風景。本当に素敵な場所です。市の文化財や資料の移動と整理が終わって落ち着いたら、またぜひ来ようと強く思いました。


福嶺中学校の閉校式、地域の方と歩きながら、次の活用が進むといいですねと話をしたことが思い出されます。「地域の人も使えるような活用方法だといいのだけど」と、自然とそんな会話になりました。

各学校、もともと地域とともにあった施設です。砂川中学校の利活用の姿には明るい気持ちにさせられました。そして、福嶺学区のこれからこそが課題であることも、あらためて感じさせられたのでした。